銀輪の風:世界の、シクロ・リポート:BS-TBS毎週金曜23:30〜24:00放送

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天災男〜

mocky

天災が続いてますね。台風、震災。シクロイマージュスタッフもおおいに、巻き込まれてました。今回、僕の取材は、トリノ五輪スケート代表、そして新たな舞台を求めて競輪デビューを果たす牛山貴広選手の取材でした。南の海上に台風が発生し、日本列島の強襲の恐れがあるという報道がされていたなか、向かったのは、新潟県弥彦村。日本で唯一の村営競輪場。移動手段は、新幹線・・。車では、さすがにちょっとつらいな・・・。これが、後々大きな仇となるとは・・・・。

さすがは、五輪代表選手。レース前日から、取材をはじめ、初めてのレースに多少緊張気味で会場入りを果たした、牛山選手。競輪場の中の、仕組みや決まりごとなど、慣れないことが続く中で、こちらまで緊張感が伝わるような、そんな状況でしたが、インタビューに対しては「新鮮な気持ちです」と、緊張の中、心の中に宿る、勝負心がふつふつと沸いてきているようなそんな感じが伺えました。翌日から始まる、レース。レースが近づくと、やがて人気オッズ表示が選手達の控え室にあるモニターにも映し出されます。選手達は、気にしないようにしても、気が付くと自然と視線がモニターにちらり。靴が緩んでるな・・・、よしよし、これで良し。チラリ。トイレいってこよ〜かな。チラリ。のどが渇いたな。ちらり。といった具合に、なるのはしょうがないことです。選手達の人気が、リアルに映し出されるというのは、途方もないプレッシャーでしょう。シビアなプロスポーツの現実です。牛山選手といいますと・・・、これが驚きました。デビュー戦にして、1.6倍〜2倍の数字。さすがに、五輪選手の期待度は違います。そんな数字を牛山選手もチラリ、ちらり。
そしてレース。圧巻の捲り。他の選手たちが、皆、口をそろえて「強い」とうなりました。初めての緊張、そして人気を背負ったプレッシャーをものともしない快勝でした。さすがでした。次の日の準決勝も見事な勝利を収め、デビュー戦にして決勝戦へと駒を進めました。決勝は、残念ながら、負けてしまいましたが、レース後「楽しかったです」と残してくれた、牛山選手。スケートで鍛えた心身を、新たに発揮する場を見つけ、これから大いに期待できる選手だと感じながら帰路に・・・・・。
しか〜〜〜し、事件は決勝日のその日にありました。既に競輪場で朝の撮影を終え、観客席でカメラマンと、しばし休憩をしているその時。
ぐらんぐらん〜〜〜ぐら〜〜ん。眩暈か・・。視界全体がぶれぶれ。辺り全体がぶれぶれ。隣のカメラマンさんもぶれぶれ。地震です。いま話題の中越沖地震。初めてのあれだけの大きな地震。牛山選手のデビュー戦を撮影しにきて、自分が大地震デビュー戦になってしまいました。しかし、実際どうすることもできないって感じで、あたりを見渡すだけ。バンク内にある噴水が波紋を広げながら、荒波を立ててるのをみて、何が現れるんだ〜〜って冷静に色々と想像したぐらいでした。自分の身を守るなんて全然発想つかなったです。弥彦はさほど、被害が少なかったようで、そのあとも予定通り競輪が開催されました。撮影隊も予定通り仕事を進め、「牛山、要チェックやわ」なんて撮影を終えたものの・・・。
どうも新幹線が動いてないらしい・・。競輪場スタッフ達が、僕達に「帰れないよ〜、もう一泊ゆっくりしていきな〜」と声をかける。「いや〜そうしたいですけどね〜大丈夫ですよ」・・・・。
全然大丈夫じゃなかったです。燕三条の駅に到着すると目に飛び込んだ光景は、またまたデビュー戦。新幹線を待つお客のために広げられた馬鹿でかいブルーシート。そこに毛布をかぶって寝ている、お客さん達。これも被災者ともでもいうのであろうか・・・。テレビでしか見たことない光景。乗車予定の新幹線は、案の定来てはくれず、時間は過ぎ。結局もう一泊するはめに・・・。
デビュー戦取材のデビュー戦でした。
日本列島台風横断中、他のスタッフが、台風の影響で取材先の各大会が順期となり、スケジュールが変更し、大変だったのを横目に、新潟のとある村で、「こっちには台風はまったく関係ないな・・へけけ」なんて鼻くそをほじってる矢先の話でした。
天災。テレビでは報道されますが、なかなか経験しない人がほとんど。大変だな〜なんて人ごとではいけませんね。明日は我が身です。

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