銀輪の風:世界の、シクロ・リポート:BS-TBS毎週金曜23:30〜24:00放送

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競輪学校あれから4か月 (10月12日放送分裏話)

yosigon

 日本競輪学校の98回生75名が入学したのは、今年5月下旬。入学早々の生徒たちの姿を、7月6日に「98回生徒の1ページ」として放送しましたが、今回12日放送の番組はその続編で、入学から4か月の変化を追いかけました。体育祭や創立記念のロードレース大会、記録会、夏休みの生徒の練習、管理競走訓練、登坂トーナメントなどの行事を取材し、それらの中から編集し「あれから4か月」としてまとめた番組です。
 加えたい場面がたくさんあったのですが、編集の過程でその多くをカット。ちょっと残念。これからも続編を予定しているので、できることなら紹介したいとも考えているのですが。

 生徒たちの卒業後の目標はただ一つ、競輪選手になること。入学直後から、生徒たちは練習漬けの生活になります。禁酒禁煙、夜更かしをせず規則正しいリズムの健康的な生活。携帯電話やパソコンもなく、周りに遊び場もありません。栄養管理された食事をたっぷり摂ることで、強靭な肉体への改造が進みます。
 18歳で入学した高卒の生徒は、当初幼さが残っていましたが、4か月目にはすっかりたくましくなり、自転車の乗り方が十分にわからなかった適性組の生徒も、バンクを全力で疾走して競走訓練が行えるまで成長しています。
 誰もが上を目指し、懸命に練習をします。生徒たちのひたむきな生き方に、番組制作スタッフとしても、なかなか冷静になれず「頑張れ」との思いをこめて取材し、編集作業もしてしまいます。
 今回の番組でも、応援の気持ちをこめて編集してしまいました。とくに、前回も追った総合格闘技から転身の石毛大蔵生徒。自転車をなかなか乗りこなせず、タイムも思うように出せません。少しでも上のタイムを出そうと、毎朝4時半には起きてローラーに乗り、晴れていればバンクでもがいて汗を流します。全力を尽くして練習に取り組む彼の姿には、われわれ撮影スタッフも引き込まれ、訓練の現場でつい応援の声が出てしまったりします。

 9月に入ると、実戦の形の管理競走訓練に入ります。石毛生徒は、その訓練で、打鐘後果敢に先行しよう挑みますが、力が足りません。ゴールまで脚力が続かないのです。
 そんな取材をしていた時、カラスの群れが頭上を乱れ飛ぶ光景を目撃しました。普段は間のびした声で鳴く烏も、このときはパニックになったように鳴き叫びます。数十羽はいたでしょうか。競輪学校の近くの森が、カラスのねぐらになっているようです。
 群れが乱舞する中心に、カラスと大きさはあまり変わりませんが、一羽だけ飛び方の異なる鳥がいました。たぶんオオタカだと思います。うっかりカラスのねぐらの上空に飛んできて、縄張りから追いたてられていたのです。カラスと一対一なら、オオタカが勝つでしょうが、群れでかかって来られたら猛禽といえどもかないません。オオタカは逃げまどいます。
 ねぐら周辺からオオタカを追いだすと、カラスの群れは次々と森に舞い降りて羽を休め、ふたたびあたりは静まりかえりました。
 その下のバンクでは、生徒たちが全く空の上の出来事に目もくれず、管理競走訓練が行われていました。今回の番組の中でも、気をつけていると、その時のカラスの声が聞こえるかもしれません。

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